野球優勝パレード疑惑の告発受理 兵庫県警、知事らへの背任容疑で
2023年にあったプロ野球の優勝パレードで不適切な税金投入によって兵庫県に約3億円の損失を与えたとして、斎藤元彦知事と片山安孝・前副知事に対する背任容疑での告発状が21日、県警に受理された。県内の市民オンブズマンなどが昨年10月に提出していた。
阪神とオリックスの優勝パレードは、大阪府や兵庫県などでつくる実行委員会が23年11月23日に大阪、神戸両市で開催。公費をかけない方針で寄付などで資金を集めた。
告発状が問題にしたのは中小企業を支援した金融機関に対する補助金。県財務部によると、パレード前の11月9~21日に金額が検討されて当初は1億円の予算要求だったが、片山氏の指示や斎藤知事による査定を経て4億円まで増えたという。
告発状では、補助金を受けた金融機関に片山氏が寄付を要求して集めたと主張。「斎藤知事、片山氏は優越的な地位を利用。外形的には寄付が集まったと体面を取り繕い、補助金という公的なシステムを悪用した」と指摘している。
内部告発文書でも指摘
パレードをめぐっては、元西播磨県民局長が斎藤知事らを内部告発した文書でも、補助金増額分を寄付金として還流していた、と指摘されていた。
斎藤知事、片山氏とも補助金の還流を否定している。県議会の調査特別委員会(百条委員会)の証人尋問では、片山氏は特定の金融機関に協賛金集めをとりまとめるよう依頼したことを認めたが、疑惑は否定。斎藤知事も定例記者会見などで「キックバックはなかった」と否定している。
告発は昨年10月、市民オンブズ尼崎、市民オンブズ西宮などの世話人ら男性3人が行っていた。世話人の一人は県警が受理したことに「このままでは真相究明が困難ななか、捜査当局に期待したい」と話した。
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兵庫県の内部告発文書問題
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