ロス山火事、乾燥に気候変動の影響も 識者が指摘する対策の難しさ

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市野塊
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 米ロサンゼルス近郊で拡大する大規模な山火事について、気候変動の影響も指摘されている。気温の上昇が空気の乾燥をもたらし、火が燃え広がりやすい環境につながるためだ。山火事のメカニズムに詳しい日本大学の串田圭司教授(地球環境学)に話を聞いた。

 山火事が広がった要因は、乾燥と強風だと考えられる。発火原因が何かにかかわらず、一度ついた火が乾燥と強風によって消えにくくなってしまう。ロサンゼルスがあるカリフォルニア州は、この時期は比較的雨が多いとされるが、降っていなかったとの報道がある。

 温暖化で気温が上昇すれば、大気中に含むことができる水蒸気の許容量が増えるが、許容量が増えても水蒸気量が同じなら相対的に湿度は下がる。その上、雨が降らなければさらに乾燥する。国連の気候変動に関する政府間パネル(IPCC)は、世界の平均気温が産業革命前よりも1・5度上昇すれば、上昇がない場合に比べて、干ばつのリスクが2倍になると報告している。これは世界全体の数値なので、特定の地域ではさらにリスクが高くなる可能性がある。

対策も限界、気候変動の影響は先進国にも

 山火事は、一度火が燃え広が…

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この記事を書いた人
市野塊
サンフランシスコ支局
専門・関心分野
気候変動・環境、医療、テクノロジー