日米関係「政府に頼りすぎ」 道産子系アメリカ人が考える日本の針路

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聞き手・篠健一郎
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 1月20日に始動するトランプ第2次政権との向き合い方は――。

 全米随一の日米交流団体「ジャパン・ソサエティー」理事長で、外交やビジネスに詳しいジョシュア・ウォーカーさん(43)は「政治にとらわれすぎずに日米関係を見るべきだ」と提言する。

 アメリカ生まれの北海道育ち。日米双方の視点を持つウォーカーさんに、両国関係強化のカギと、国際社会で日本が取るべき針路について聞いた。

ジャパン・ソサエティー

1907年に設立された日米交流団体。イベントなどを通じ日本の芸術や文化などを米国や世界に伝える。ニューヨークにある本部ビルは、建築家・吉村順三の設計。

 ――理事長就任から5年。日米関係の現状をどう見ていますか。

 日米関係は政府に頼りすぎています。

 日本では、自民党政治資金問題の対応に四苦八苦するなど党がうまく機能しているようには見えません。一方の米国では、共和党民主党の支持者間の二極化が先鋭化しています。両国とも、政治の動きが予期しづらい状況です。私は国務省国防総省など政治の世界で長く過ごしてきましたが、今は、ワシントンと永田町とは異なる視点から日米関係を考えるべき時期にある、と捉えています。

 ――異なる、とは?

 重要になるのは、アメリカ各州との関係構築です。

 州政府は連邦政府の下部単位ではない。州民への多くの重要なサービスを提供しており、自ら率先して各国の投資を集め、雇用を生み出そうとします。その意味で、投資を生む日本の経済界は、連邦政府だけでなく、州との関係作りにも注力すべきです。

「経済界にはリーダーがいない」

 ――関係作りのアプローチは。

 最も重要なことの一つは、経済界が結集することです。

 日本の対米投資額は世界一…

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この記事を書いた人
篠健一郎
専門記者
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データジャーナリズム、プラットフォーマー
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    佐倉統
    (東京大学大学院教授=科学技術社会論)
    2025年1月15日14時0分 投稿
    【視点】

    米中の覇権主義とは異なる、柔軟な「仲介者」として世界を自由で拓かれた場所に保つことが日本の役割だという御意見に感銘を受けた。その通りだと思う。政治的にも経済的にも国際世界での地位が下がり続けている日本だが、そのような「パワー」とは別の、平和

    …続きを読む