真珠湾攻撃、原爆投下、アサド政権崩壊……歴史から学ぶべきことは

有料記事

文=アリ・ビーザー 構成=核と人類取材センター・田井中雅人

広島、長崎の両方の原爆投下機に搭乗した米兵の孫と、両方で原爆に遭った「二重被爆者」の孫が出会い、友情を築いています。2人に折々の国際情勢に触れながら手紙を交わしてもらう企画の3往復目です。

 コスズさんからのお手紙を受け取ったとき、ぼくは世界的な出来事と私的な出来事が交錯する状況にありました。

 叔父のジェローム・ビーザー(祖父ジェイコブ・ビーザーの末息子)を亡くしました。ジェロームは、幼いぼくに歴史への興味を与えてくれた大切な存在でもあります。彼は祖父の遺品の多くを保管し、ぼくに託してくれました。そうした記録やインタビュー、回想録、未発表原稿をもとに、ぼくは著書『The Nuclear Family』を書くことができました。

 13年にわたる残虐な内戦の末、シリアのアサド政権から解放されたダマスカスの街頭に人々があふれ、希望を胸に抱いている様子を見ながらこの手紙を書いています。そして、ぼくたちは真珠湾攻撃の日(米国時間1941年12月7日)を迎えました。あの悪名高い日以来、世界は大きく変わりましたが、人間の本質は変わっていません。

 では、真珠湾攻撃の記念日や…

この記事は有料記事です。残り1427文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
田井中雅人
大阪社会部|核と人類取材センター事務局長
専門・関心分野
核・軍縮・平和

連載孫たちの意外な友情 ヒバク80年、日米往復書簡

この連載の一覧を見る