「お仲間」で周囲を固めた尹氏、与党代表とも確執 孤立はより鮮明に

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太田成美=ソウル 牧野愛博

 「可(賛成)、204票……」。禹元植(ウウォンシク)国会議長が開票結果の読み上げを始めた瞬間、悲鳴と歓声が交じったような「キャー」という叫び声が本会議場内に響き渡った。本会議場の外のロビーでは、野党関係者が歓声を上げ、抱き合って喜ぶかたわらで、与党議員は一様に硬い表情で本会議場を後にした。

 この日、与党・国民の力の非公開の議員総会では、韓東勲(ハンドンフン)代表に対し、「責任を負って辞任しろ」などと非難する怒号が飛んだ。韓代表は賛成した議員について「非常に難しい決断だったのではないか」とし、「今の状況で大統領の職務を早期に停止させ、状況を正常に戻すためには弾劾の可決が避けられないと考えた。私はやるべきことを尽くした」と記者団に述べた。

 弾劾案の可決に必要だった数は、在籍議員の3分の2にあたる200票。結果は、わずか4票上回る204票だった。野党と無所属の192人に加え、与党から12人が造反したことになる。

直前までぎりぎりの攻防

 与党内では採決直前まで、ぎ…

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この記事を書いた人
太田成美
ソウル支局
専門・関心分野
朝鮮半島情勢、日韓関係、ジェンダー
牧野愛博
専門記者|外交担当
専門・関心分野
外交、安全保障、朝鮮半島
韓国「非常戒厳」

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