「日米韓」の枠組み崩壊、直面する三つの危機 佐藤武嗣編集委員

有料記事

編集委員・佐藤武嗣

 強権的な「非常戒厳」を発動した韓国の尹錫悦(ユンソンニョル)大統領に対する弾劾(だんがい)訴追案が可決され、大統領の職務は停止に追い込まれた。昨年、厳しい安全保障環境を受けて団結が必要だと新設した「日米韓」の枠組みは、崩壊の危機に直面している。対日融和策を貫いてきた尹大統領の急速な影響力低下で、再び日韓関係が悪化する可能性もある。

 日米韓は昨年8月の首脳会談で「新時代の幕を開く」との共同声明を出し、首脳会談の定例化など関係強化を確認した。

 バイデン米政権が枠組みづくりを主導し、尹氏も日韓改善に向け、懸案の徴用工訴訟問題で日本企業に代わり韓国政府傘下の財団が賠償相当分を支払う解決策を示すなど、日本に大幅譲歩。当時の岸田文雄首相も含め、3首脳の呼吸が合い、「類いまれな機会」(共同声明)だとして、「日米韓」の枠組みができた。

 石破茂首相は14日、尹氏の…

この記事は有料記事です。残り891文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません

この記事を書いた人
佐藤武嗣
編集委員|外交・安全保障担当
専門・関心分野
外交、安全保障、国際情勢、民主主義、ジャーナリズム
石破政権

石破政権

自民党の石破茂総裁が2024年10月、第102代首相に選出されました。石破茂政権に関する最新のニュースをまとめています。[もっと見る]