元校長による14年前の性暴力 異例の裁判で見えた「時効」の現在地

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金子和史
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 勤務先の中学校の女子生徒に対する準強姦(ごうかん)致傷罪などに問われた元東京都練馬区立中学校長の事件は、14年前の行為が罪に問われる異例の裁判となり「時効」も争点になった。

 性犯罪は被害の認識に時間がかかるとして、近年の法改正で時効が延長されたが、「不十分だ」とする専門家もいる。

被告側「すでに時効が成立」

 2010年に元教え子に性的暴行を加えたとして起訴された北村比左嘉(ひさよし)被告(57)。東京地裁の公判では、時効に関連して被害者のけがの有無が争われた。けががなければ被告の行為は準強姦罪にとどまる。時効の期間が準強姦致傷罪では15年なのに対し、準強姦罪は10年になっているため「すでに時効が成立している」と被告側は訴えたが、9日の判決は退けた。

 性犯罪の時効は「撤廃すべきだ」という意見もある。身近な人が加害者だった場合などは長期間にわたり、被害と認識できないこともある。捜査機関に訴えるまでに時間がかかってしまい、申告しようと思っても時効が成立しているケースがあるためだ。

 被害当事者らがつくる一般社…

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この記事を書いた人
金子和史
那覇総局
専門・関心分野
沖縄、平和、事件、司法