富士トラムへの方針転換、登山鉄道構想の反対4団体に説明 山梨県

豊平森
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 山梨県が断念した富士山登山鉄道構想への反対4団体に対し、県は27日、代替案とする新交通システム「富士トラム(仮称)」構想の説明会を県内2カ所で開いた。参加者からは一定の理解の声がある一方、県が団体側から登山鉄道構想への意見を聴いた場で、新構想の説明がなかったと反発する声も出された。

 参加したのは、「富士山登山鉄道建設反対県民会議」「美しい富士山を守る会」「富士山登山鉄道に反対する会」「富士山の未来を考える市民の会」。

 長崎幸太郎知事は13日に、次世代型路面電車(LRT)を富士山のふもとから五合目まで富士スバルライン上を走らせる登山鉄道構想を前提に、団体側から意見を聴いた。その5日後に、鉄道を断念してゴムタイヤで走る「富士トラム」への方針転換を発表した。

事業費などの詳細求める声も

 27日の説明会は甲州市富士吉田市で、2団体ずつ開催。県の担当者が、富士トラムだと線路を敷く大規模開発がなくなり、費用も大幅に減らせるなどと説明。将来的にはリニア中央新幹線の山梨県駅(仮称)と富士山や県内各地を結ぶ交通手段にしたいとした。

 参加者からは「LRTより良くなったが、情報が少なく賛成か反対かは判断できない」という声がある一方、知事による意見聴取の時に「もう(方針転換を)決めていたのではないか。背信行為だ」と強く反発する声も出された。

 県側は意見聴取を受けて「この(富士トラム)案なら皆さんの懸念を払拭(ふっしょく)できると確信できたので、方針転換を決めた」と理解を求めた。

 参加者からは、事業費などの詳細を早く示すよう求める意見も多く、県は今後も地元や県内各地で説明会を続ける方針。富士吉田市などが求める自動運転EVバスとの比較検討もしていくという。

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