静岡地検のトップが袴田巌さんに直接謝罪 検察内の「強い不満」とは
静岡県の一家4人殺害事件をめぐり再審無罪となった袴田巌さん(88)に対し、静岡地検検事正が27日午前、浜松市内で面会し謝罪した。「長期間にわたり法的地位が不安定となり申し訳ない」「袴田さんを犯人視することはない」などと述べた。ただ、検察内には控訴断念後のいまも、証拠捏造(ねつぞう)を認定した判決に「明白な矛盾や誤りがある」との反発が根強い。
検察は10月8日に控訴しないと明らかにし、検察トップの畝本直美検事総長が談話(A4用紙1枚半)を同時に発表した。総長は判決に対し「強い不満を抱かざるを得ない」とし、証拠捏造の認定部分に関して時系列などに矛盾があるとも訴えていた。
ただ、詳細には触れておらず、複数の検察幹部らを取材すると、具体的な部分に言及した。その内容は、袴田さんの犯行着衣とされた「5点の衣類」を捜査機関が捏造した可能性がある、と指摘した点だ。5点の衣類は、1966年6月の事件発生から1年2カ月後に、事件現場付近のみそタンクの底から発見された。
検察内部にあるのは次のような主張だ。
①時系列の「矛盾」…
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- 【視点】
「法的地位が不安定となり申し訳ない」「刑事司法の一翼を担う検察としても大変申し訳ない」など、全面的な責任を負わされたくないという気持ちがよく伝わりました。「犯人視することはない」というのも当然ではないでしょうか。 判決への不満を検事総長が示
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