着工から1年 新貨物ターミナルの工事現場公開 JR沼津駅
JR沼津駅周辺の鉄道高架事業に伴う新貨物ターミナル(静岡県沼津市原地区)の施設工事の現地説明会が12日に開かれた。本体工事の着工から1年たち、徐々に輪郭が見えてきた整備状況が市議団と報道陣に公開された。
現在の貨物駅から約8キロ西に移る新貨物ターミナルは敷地面積約11・8ヘクタール、東西約2・1キロに及ぶ。「E&S方式」(着発線荷役方式)を採用することで、貨車の連結作業がなくなり、騒音の解消と時間短縮につながる。東名、新東名の両高速道に近く、隣接する富士市の田子の浦港を活用し、陸と海の輸送を組み合わせた一大物流拠点にする構想だ。工事は2027年度末に完了予定、事業費は約146億円。
説明会には沼津駅鉄道高架とまちづくり特別委員会所属の市議ら11人が参加した。着工後初めて工事現場を視察し、県と市の担当者から工事の現状などの説明を受けた。
この工事は本体工事の第1段階と位置づけられ、第2段階となる新車両基地(同市片浜地区)は今月21日に着工し、第3段階の高架本体は26年度中に工事に着手する。高架化実現は40年度。鉄道高架など6事業で構成される沼津駅周辺総合整備事業の総事業費は約2272億円にのぼる。
高架化により、駅周辺市街地の南北の分断や、異常気象により頻発するガード下の冠水、慢性的な交通渋滞、踏切事故など街づくりを阻んできた多くの課題の解消をめざしている。
鉄道高架事業は1988年に渡辺朗市長(当時)が構想を発表したが、地権者や住民らの反対運動で事業が進まなかった。特別委の浅原和美委員長は「できるかどうか半信半疑だったが、着工から1年で形が見えてきて感激した」と話した。
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