「企業・団体献金の禁止」踏み込まぬ石破首相 早期決着の道筋描けず

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大久保貴裕 神野勇人

 国民から厳しい批判を受けてきた自民党の「政治とカネ」の問題について、石破茂首相が決着へと動き始めた。しかし、自民の政治活動を長年支えてきた企業・団体献金の禁止や廃止には踏み込まない。与野党が一致できる部分での改革を目指すが、意見は隔たっており、合意プロセスも定まっていない。

 首相は12日の政治改革本部に出席すると、政策活動費などを挙げて「どんどん率先して答えを」と発破をかけた。だが、話が企業・団体献金へ移ると、明らかにトーンが変わった。「これは、いつまでということはございません。法改正が必要であれば」

 首相は企業・団体献金の禁止には極めて慎重な立場だ。11日の会見でも、1970年の「八幡製鉄政治献金事件」の最高裁判決を念頭に、「企業・団体も寄付は禁じられていないと最高裁判決で認められた」と強調。①献金の上限規制②個人献金にシフトするための税制措置③透明化――を検討課題に挙げた。

 自民にとって企業・団体献金は重要な資金源だ。2022年分の政治資金収支報告書によると、企業・団体からすべての政党本部・支部、政治資金団体への献金総額は80億円余りに上るが、自民向けが9割超を占める。12日の会合でも禁止や廃止への慎重論が相次ぎ、渡海紀三朗本部長は記者団に「明確に廃止、禁止という意見はなかった」と語った。

 これに対し、立憲民主党は企…

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