同性カップルの困難伝えるパネル展は政治的? 後援しない自治体も

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花房吾早子

 同性カップルの生きづらさを伝える市民団体のパネル展を後援するかどうか、自治体で対応が割れている。主催者からの申請に対し、内容が「政治的」だとして承認の基準に抵触すると判断した自治体があったからだ。「政治的」とは何なのか――。

 性的マイノリティーが暮らしやすい社会をめざしているNPO法人カラフルブランケッツ(大阪市生野区)は、パネル展「私たちだって〝いいふうふ〟になりたい展」を2021年に始めた。各地で撮影された同性カップルの写真、カップルがお互いに書いた手紙、法律婚ができないことによる生活上の困難をまとめた図などを見せている。

 今年9月までに全国29カ所で開催。22年からは自治体とも手を組むようになり、兵庫県西宮市高知県香南市など7市と共催し、名古屋市埼玉県草加市など7市から後援名義の使用許可を受けてきた。島根県の委託事業や岩手県大船渡市の補助金交付事業として開いたケースもあった。

 ところが、大阪市の商業施設で開くパネル展に向け、今年8月に大阪府と大阪市に後援について相談したところ、不承認の可能性を示され、申請をやめた。

 理由は「おわりに」と題した…

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この記事を書いた人
花房吾早子
大阪社会部|平和・人権担当
専門・関心分野
原爆、核廃絶、ジェンダー、LGBTQ+