【詳報】全日本大学駅伝、国学院が初優勝 今季2冠 駒大逆転の2位

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 第56回全日本大学駅伝対校選手権大会(愛知・熱田神宮西門前―三重・伊勢神宮内宮宇治橋前8区間、106.8キロ)は3日午前8時10分にスタート。国学院大が最終8区で抜け出し、5時間9分56秒(速報値)で初優勝を遂げた。国学院大は10月の出雲駅伝を制しており、これで箱根駅伝を含む「学生3大駅伝」のうち「2冠」となった。史上初の5連覇をめざした駒大は2位だった。今年1月の箱根駅伝を2年ぶりに制した青学大は3位に終わった。

 創価大は3回目の出場で史上最高の4位に入った。早大は5位で2年ぶりにシード権を獲得した。城西大は6位。立大は初出場で7位の快挙。帝京大は8位でシード権を得た。

最長19.7kmの8区 突き放した国学院、怒濤の追い上げ駒大、懸命に走った青学

 【8区】最長19・7キロの最終区は、青学大の塩出翔太と国学院大の上原琉翔による3年生アンカーの優勝争いとなった。並走しながら、抜け出す機会をうかがっている。

 スローペースがしばらく続いた後、9キロ過ぎに動きがあった。

 10月の出雲駅伝で5区区間賞、国学院大の上原が抜け出し、リードを広げる。塩出も1月の箱根駅伝8区で区間賞の力を持つが、少しずつ離されていく。

 3位駒大の山川拓馬(3年)も2人を懸命に追う。

 国学院大の上原は脇腹を気にするそぶりを見せながら、首位をキープ。最後は大歓声を浴びながらゴールテープを切り、12回目の出場で初優勝を成し遂げた。

 5連覇のかかった駒大の山川は残り1キロ付近で青学大の塩出を抜き、首位と28秒差の2位と意地を見せた。塩出も懸命に走り、青学大は45秒差の3位だった。

 創価大は史上最高の4位でフィニッシュ。早大は5位に入り、上位8位以内に与えられるシード権を2年ぶりに獲得。城西大は6位、初出場の立大は7位、帝京大は8位でシード権を得た。

青学・太田と国学院・平林の差、中継所で4秒→10km地点で16秒→15km手前で0秒→中継所で再び4秒 アンカー勝負へ

 【7区】エースが集う区間。トップを走る青学大・太田蒼生(4年)を、前回7区区間賞の国学院大・平林清澄(4年)が追う。駒大の篠原倖太朗(4年)も5位から巻き返しを図る。

 3人は、10月の出雲駅伝でアンカーとして出走した。平林が篠原との競り合いを制し、国学院大を優勝に導いた。太田の青学大は3位だった。

 4位城西大の久保出雄太(4年)は同好会から1年秋に転部。今年は関東インカレのハーフマラソンで入賞した。監督車に乗る櫛部静二監督は「長い距離が得意だし、悪天候も気にしない。物おじしない性格なので、エース級の選手たちを相手にも楽しんでくれると思う」。

 先頭を行く青学大の太田がハイペースで、国学院大の平林をリード。国学院大の前田康弘監督は「太田くんはゾーンに入った時の強さがあるから、なんとも言えない。平林は前半で焦らず、後半追い上げてくると思う。まだ勝負は全くわからない」。

 10キロ地点で青学大と国学院大の差は16秒差に開く。駒大は3位に浮上したが、トップと2分50秒差。日体大、帝京大、立大が7位グループを作り、中大と東京国際大が食らいついている。

 12キロ手前で、初出場の立大が7位グループから抜け出し、単独7位になった。

 13キロ過ぎ。青学大の太田は口が開き、肩を上下させて苦しそうな表情を見せる。一方、国学院大の平林は沿道の声援にガッツポーズをする場面もあった。

 15キロ手前で太田と平林が並ぶ。だが、16キロ過ぎに太田がサングラスを頭に上げて、また加速した。平林は再び離された。

 青学大が首位で8区へ。国学院大は4秒差で2位。がっぷり四つの優勝争いは、アンカー勝負に託された。

 駒大の篠原は区間賞の走りで、先頭と2分37秒差の3位をキープ。創価大、城西大、早大と続く。

 立大は馬場賢人が7位まで上げた。シード圏内の8位帝京大を、9位東京国際大が11秒差で、10位日体大が47秒差で猛追する。

鍵になる6区、国学院の山本が脇腹押さえながら猛追

 【6区】エースがそろう7区に向けて、どれだけ差を詰められるかが鍵になる区間。先頭の青学大は、今年1月の箱根駅伝と10月の出雲駅伝で未出走の白石光星(4年)を起用した。

 2位以下は国学院大、創価大、城西大、駒大が追っている。

 中盤の6・3キロ地点で、順位は変わらず。青学大を先頭に、国学院大が38秒差、創価大が1分44秒差、城西大が2分21秒差、駒大が2分33秒差で続く。

 国学院大の山本歩夢は何度も右脇腹を押さえるしぐさを見せながら、力強い走りで青学大との差を縮めていく。

 シード権争いも熾烈(しれつ)に。5区中継地点で7位だった大東大はピーター・ワンジルが苦しみ、9キロ手前で9位に落とした。

 青学大は首位で中継点を通過。国学院大は山本の激走で追い上げ、一気に4秒差まで詰めた。山本は区間新記録をマーク。出雲駅伝に続く2冠を視野に捉えた。

 2分2秒差で創価大が3位。城西大、駒大と続く。1、2位との差はなかなか縮まらない。

 7位日体大から11位立教大までの差は1分以内と拮抗(きっこう)。8位以内のシード権獲得をめざし、7区にたすきをつないだ。

後半の5区 国学院の野中が2位浮上、青学を追い上げる

 【5区】レースは後半の5区…

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