「家父長的な固定観念が背景に」 国連の担当委員、日本勧告を語る
女性差別撤廃条約の実施状況を審査する国連の女性差別撤廃委員会が8年ぶりに日本のジェンダー平等への取り組みについて審査し、日本政府に対する勧告を含む「最終見解」を公表しました。選択的夫婦別姓の導入を求めたほか、「男系男子」が皇位を継承することを定める皇室典範の改正を勧告しました。これに先立ち、日本審査をまとめる「報告者」を担当したバンダナ・ラナ委員が朝日新聞の取材に応じ、審査を振り返りました。
――今回の日本審査を通じて感じた良い点と悪い点を教えて下さい。
いくつかの前向きな政策を打ち出していることは進展であり、努力の成果です。例えば、2016年の前回審査以降、法改正で、女性にのみ課されていた離婚後100日の再婚禁止期間が廃止されたほか、性行為に同意するかを自分で判断できるとみなす「性交同意年齢」は13歳から16歳に引き上げられました。
根強い課題の一つは、日本文化に深く根付いた、家父長制的な観念にあると感じます。行政や法的手続きなど、あらゆる面に反映されています。
議員や、企業の管理職、法曹界に、女性の割合が少ないなど、政治、経済、司法の分野で意思決定をする地位に女性が少ないことも課題です。
一見公平だが
――民法が定める「夫婦同姓」について委員会は長年改正を求めています。
どちらかの姓を選択できると…