国民審査、「どうせムダ」と諦めないで 最高裁にも届く「国民の声」

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遠藤隆史
【30秒でわかる】最高裁にジャッジ 国民審査

 15人の最高裁裁判官のうち6人に対する国民審査がきょう27日、衆院総選挙の投票と同時に行われる。「やめさせたい」との投票が過半数になれば裁判官は罷免(ひめん)(解職)される。解職になったケースはないが、元最高裁裁判官は「結果には国民の意思が確実に反映される」と語る。その理由は。

 弁護士の菅野(かんの)博之さん(72)は、裁判官として東京や北海道で勤務し、2016~22年に最高裁で裁判官を務めた。国民審査は17年に受けた。

 「審査を受ける際は非常に緊張感があった。同時に、裁判官として国民とのつながりを直接持てる経験でもあり誇らしい気持ちも強かった」と振り返る。各世帯に配布される審査公報では、裁判官の心構えをしっかりと書いて判断材料にしてもらおうと考えたという。

 審査は、有権者がやめさせたい裁判官に「×」をつけ、「○」などを書くと投票は無効になる。

 菅野さんは、×が440万7669票で、有効票に占める×の割合(罷免率)は8・04%だった。過半数には及ばないものの、罷免率のデータから、ある特徴に気づいたという。

×が多かった県、その理由は

 都道府県別では多くが5~8…

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この記事を書いた人
遠藤隆史
東京社会部|最高裁担当
専門・関心分野
司法、労働、福祉
国民審査

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