本棚に置いて故人をしのぶ ミニ仏壇「供養箱」を徳島の会社が販売
遺影や遺品を収納できるミニ仏壇「供養箱」を徳島市の会社が今春から販売している。高さ約20センチで大きな辞書くらい。形式にとらわれず、身近なところに遺品を置いて故人をしのびたいというニーズに応える。
販売するのはネットショップ運営を手がけるリルビースタイル(徳島市)。供養箱は宗教色がなく、表の扉を開けると遺影を納めるフレームがあり、裏の扉を開けた空間には眼鏡などの遺品を収納できる。
当初は扉を開けたままにして花を供えるなどして供養し、時が経てば本棚に収納するイメージだという。
インターネット調査会社、楽天インサイトが1千人に行った調査では、6割近くが家に仏壇がないと答えたといい、同社は、仏壇のない家が増える一方で、心を込めて供養したい人はいるだろうと考え、開発した。
ブランド名は「遠憶(とおく) 祈りの小箱」。仏壇や徳島の伝統工芸品「遊山箱」を手がける山口木工(徳島市)に委託。10年以上かけて自然乾燥させた無垢(むく)材から、職人が木目や色目が美しい材料を選んで制作する。
シンプルな無地の木目のものから寄せ木細工や拭き漆を施したものまで4種類。拭き漆は香川の漆芸作家、泉谷麻紀子さんが手がける。
サイズはいずれも幅10センチ、高さ20.5センチ、奥行き21センチ。価格は9万3500円(税込み)から。販売は専用サイト(https://tohkubox.com/)。