鉄道遺構、開発か保存か 北九州市副市長「安全な場所の提供、優先」

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聞き手・城真弓
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 北九州門司区で見つかった明治期の「初代門司駅」関連遺構を巡り、開発か保存かで地元が揺れている。複合公共施設建設のため取り壊す方針の市と、現地保存して施設との共存を訴える学術団体。ユネスコの諮問機関が、危機的状況にある文化財保護を目的にした「ヘリテージアラート」を発出する中、キーパーソンはどのように考えているのか。解決の糸口はあるのか。

九州鉄道の起点駅として1891年に開業した初代門司駅。関連遺構の取り壊しを決めた北九州市の片山憲一副市長がその理由を語りました。

 北九州市・片山憲一副市長

――門司港地区に公共施設を建てる必要性は

 北九州市は人口に対する公共施設の割合が多く、2016年、将来的に公共施設を2割削減するなどの計画を定めた。当時一番古かった昭和5(1930)年築の門司区役所をモデルケースとして、図書館などと集約して一体的に整備することになった。

――門司港地区に決まった経緯は

 8年ぐらい議論した。地元の人たちの意見も踏まえ、門司区全体としてどうあるべきかを議論した中で決まった。今回(遺構出土で)フェーズが変わったからと言われるが、万が一、代替地があっても議論や設計をやり直すと3年以上遅れる。

――なぜ建設を急ぐのか

 一番大きいのは耐震性の問題…

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この記事を書いた人
城真弓
西部報道センター|教育・子育て、北九州市担当
専門・関心分野
地方・教育・療育・子育て・食・防災