「初の女性首相」逃した高市早苗氏 識者「ガラスの天井は関係ない」

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編集委員・山下知子

 9月の自民党総裁選で決選投票に高市早苗・前経済安全保障相が残り、「初の女性首相」誕生の一歩手前まで迫った。ジェンダー平等の観点から、この状況をどう見るべきか。何を論じるべきか。日英の政治に詳しい名古屋大の武田宏子教授(政治学)に聞いた。

 ――自民党総裁選直後の9月27日夕、X(旧ツイッター)では、組織内で昇進を阻む存在があることを意味する「ガラスの天井」の言葉が入った投稿が2千件以上ありました。「女性だからか」「ガラスの天井か」といった内容が目立ちました。

 今回の高市氏の敗北は、ガラスの天井とは関係ないと考えます。自民党の組織の中のロジックの問題です。

 高市氏は安倍晋三元首相の路線を引き継ぐとし、裏金問題を抱えた旧安倍派議員が推薦人に名を連ねました。この点を懸念し、自民党は総選挙を前に世論の動向を見て、違う党の顔を求めました。自民党のサバイバル戦略の結果とみるべきでしょう。

懸念される「ジェンダー・ウォッシング」

 ――「女性首相」が現実味をもって語られたことには社会の変化を感じました。楽観的でしょうか。

 総裁選に立候補した9人のうち2人が女性でした。「そのくらいは女性を入れておかねばならない」との意識が自民党内にあったのであれば、わずかながら前進と言えるかもしれません。

 ただ、そもそも圧倒的に女性…

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    BossB
    (天文物理学者・信州大准教授)
    2024年10月5日12時8分 投稿
    【視点】

    武田宏子教授に政治家になっていただきたいと思う記事でした。カマラ・ハリスさんには投票しますが、高市さんには投票しません(どちらも投票できないのですが、できるとしたら、です)。 日本はまだまだ、黒船の圧で、女性とかジェンダーとか表で取り組んで

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    菅野志桜里
    (弁護士・国際人道プラットフォーム代表)
    2024年10月6日11時21分 投稿
    【視点】

    性別役割分業を否定する識者たちが、なぜ女性政治家には「女性」的であることを求めるのか理解に苦しむ。男性政治と女性政治を対極に位置付け、女性総理にはマッチョではない「ケアの政治」を期待する見解には異議を申し立てたい。例えば、私は、高市さんが選

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