第2回「これが主権国家か」対等な日米関係へ 石破氏、安保改定にこだわり

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森岡航平 松山尚幹
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 自民党新総裁の石破茂ほど、「主権国家」のあり方に強くこだわる政治家は永田町を見渡してもそういない。ライフワークの安保政策をめぐって演説すれば「日本は主権独立国家だ」と繰り返す。その理由は、現在の日米関係を「非対称な関係」だと問題視しているからだ。

 原点となる体験が2004年8月の沖縄国際大学(沖縄県宜野湾市)での米軍ヘリ墜落事故だ。石破は当時、防衛庁長官。米軍は事故後約1週間、機体周辺を封鎖した。日本の捜査の壁となったのが、在日米軍の地位や権利を取り決めた日米地位協定だ。「沖縄の警察は入ることもできなかった。全ての機体の残骸は米軍が持っていった。これが主権国家なのか」。石破は最近こう振り返った。

安保条約・地位協定改定の論文 稚拙な手法とのそしりも

 その後も米軍兵士が起こす事件や事故は絶えることがない。米軍基地を抱える地元自治体は、日本の主権が制約を受ける地位協定の改定を求め続けてきた。石破は9月17日に那覇市で開かれた演説会でこう訴えた。「(地位協定は)少なくとも見直しに着手するべきだ。主権国家の責任を果たしていかなければいけない」

 石破が地位協定改定のために…

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この記事を書いた人
森岡航平
政治部|首相官邸担当
専門・関心分野
国内政治
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    遠藤乾
    (東京大学大学院法学政治学研究科教授)
    2024年9月30日8時16分 投稿
    【視点】

     外交の目指す価値を独立(主権)におくのか、安全保障におくのかで、政策は異なりうる。いま前者をめざし、たとえば、日米地位協定や横田空域の話をアジェンダにするのか、それとも、アメリカと連携しつつ近隣の脅威に対応しようとするのか、この二つには緊

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  • commentatorHeader
    座安あきの
    (ジャーナリスト・コンサルタント)
    2024年9月30日15時10分 投稿
    【視点】

    「(地位協定は)少なくとも見直しに着手すべきだ」「主権国家の責任を」という石破氏の発言は、沖縄県民にとって、「最低でも県外」発言と同等かそれ以上の重みがある。微動だにしない沖縄問題の根幹に関わるもので、十分な期待を抱かせる発言です。しかしこ

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