離婚後の共同親権、海外の実情は 「子どもの最善」実現するために

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ベルリン=寺西和男 島崎周 久保田一道

 離婚後も父母双方が親権を持つ「共同親権」が2026年までに導入される。離婚する夫婦が協力しあえるのか。家庭内暴力が続く懸念はないのか。日本と同様、法改正により「共同親権」が導入されたドイツ、アメリカなど、各国の実情を探った。

「共同親権」が原則のドイツ

 夫婦が別れたあと、子どもたち3人が暮らす家に交代で1週間滞在し、面倒をみる――。

 17年間連れ添い、近く裁判所での離婚手続きを終えるベルリン在住のトーマス・イエシュタットさん(56)とドロテア・イエシュタットさん(49)は、そんな選択をした。離婚後、18歳の息子と、15歳、12歳の娘の親権は共同で持つことで合意している。

 2人は今、家族で住んでいたマンションを残したまま、近くに別々に物件を借りて住む。毎週月曜日に交代する形で、どちらかがマンションに滞在する。

 子どもたちは月曜日の朝、1週間一緒に過ごしたトーマスさんに送り出される。学校を終えて夕方に帰宅すると、ドロテアさんが待っていて、1週間、ドロテアさんと過ごす。ドロテアさんが翌週の月曜朝に子どもたちを送り出してマンションを出ると、夕方にトーマスさんがマンションに来る。2人がマンションで顔を合わせることはない。

 家族法に詳しいイエンス・ク…

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この記事を書いた人
寺西和男
ベルリン支局長
専門・関心分野
欧州の政治経済、金融、格差、ポピュリズム
島崎周
東京社会部|文部科学省担当
専門・関心分野
性暴力、性教育、被害と加害、宗教、学び、人権