21日、能登を襲った大雨。何があったのか。被害の全容が見通せない中、現地駐在記者が見た光景を報告する。
◇
けたたましい音で目が覚めた。21日午前7時、スマートフォンの速報だった。
「緊急速報 土砂災害警戒情報発表されました【警戒レベル4相当情報[土砂災害]】」
記者が住む石川県輪島市中心部の木造アパートの窓にも壁にも、たたきつけるように強い雨があたった。夜から朝にかけて何度も雷が鳴った。
アパートですら恐怖を感じるのだから、仮設住宅の人たちはどれだけ怖い思いをしているだろう――。断続的に激しくなる豪雨が収まってから、話を聞きに行かなければ、と思った。
午前11時ごろ、雨脚が弱まった。外に出ると、市街地では一見、いつもと変わらず車が走っているように見えた。だが、土地が低い場所は茶色い水で冠水していた。
SNSで、奥能登の玄関口に…