静岡知事「JR東海は情報全面開示を」 残土置き場直下に断層可能性

大海英史
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 リニア中央新幹線静岡工区の工事残土を置く「ツバクロ発生土置き場」直下に断層がある可能性をJR東海が初めて提示したことを受け、鈴木康友知事は10日の記者会見で「認識をしていながらこれまで報告がなかったのは、非常に信頼関係を損ねる問題」と指摘した。JR東海から県に対し、今後は議論に必要なすべての情報を提供することを約束する文書が提出されたという。

 有識者がリニア問題を議論する県専門部会が6日にあり、JR東海が発生土置き場直下に断層がある可能性を示す調査資料を提出した。2010年度の地表踏査で可能性を確認していたが、盛り土の計画・設計に影響することはないとして専門部会には提示してこなかった。

 鈴木知事は会見で「JR東海が情報を提供する、提供しないをしんしゃくするのではなく、情報はまずすべて出していただく。専門部会できちんと精査する体制をつくっており、今後はあらゆる情報をしっかり提供していただくよう強くお願いした」と強調した。断層の可能性についてはJR東海が特性や影響を検討し、専門部会で議論するという。

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 JR東海は10日、リニア中央新幹線山梨工区で県境を越えて静岡県内で進める予定の「高速長尺先進ボーリング」による調査について、大井川流域の市町などでつくる大井川利水関係協議会の意向を確認して回答するよう県に文書で要請した。県はできるだけ早く利水協に確認の手続きをとり、了解が得られれば県内でのボーリング調査を了承する見通しだ。

 トンネル工事などの前に小さな穴を開けて地質などを調べる高速長尺先進ボーリングは、6日時点で県境にあと316メートルまで進んでいる。

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