パレスチナ情勢 9月4日~9月23日(日本時間)にあったこと

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【動画】レバノンでイスラエルによる空爆続く タアラバヤの様子=ロイター
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 イスラエル軍によるレバノン各地への空爆が続き、レバノン国営通信によると、23日朝から492人が死亡し、1645人が負傷しました。AP通信などは、レバノンのイスラム教シーア派組織ヒズボラとイスラエルが大規模な戦闘を繰り広げた2006年以来、最も激しいレバノンへの攻撃だったとしています。

 イスラエル軍の報道官はこの日、ヒズボラが巡航ミサイルなどを民家に隠し、イスラエルへの攻撃を準備しているとして、レバノン全土で集中的な空爆を実施すると予告していました。

 イスラエルのネタニヤフ首相は22日、イスラム組織ハマスがパレスチナ自治区ガザ地区で拘束している人質約100人について、生存しているのは約半数だ、と議会で明らかにしました。

■■■9月23日(日本時間)の動き■■■

イスラエル軍の空爆で182人死亡 レバノン南部

 レバノン各地で23日、イスラエル軍の激しい空爆が続き、レバノン国営通信によると、同国保健省は南部の町や村で182人が死亡し、727人が負傷したと発表した。空爆は東部や北部のシリア国境近くまで全土に及んでいるといい、さらに被害が増える可能性がある。

 レバノンに拠点を置くイスラム教シーア派組織ヒズボラと敵対するイスラエル軍の空爆は同日朝から激化し、同軍によると正午すぎまでに300回を超えた。ロイター通信は昨年10月以降で最大規模だと報じた。レバノン保健省は南部と東部の病院に対し、負傷者の急増に備えて、緊急ではない手術を行わないよう指示した。

 イスラエル軍のハガリ報道官は同日午後の声明で「レバノンで攻撃した家屋にはいずれもヒズボラのロケットやミサイル、無人機が隠されていた」と主張。イスラエル軍の空爆後に「隠してあった兵器による2次爆発が起きている」と語った。ヒズボラも同日の声明で、イスラエル北部の軍施設を数十発のミサイルで攻撃していると発表した。

イスラエル軍、レバノン住民に退避要求 SMS一斉送信

 イスラエル軍のハガリ報道官…

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    錦田愛子
    (慶應義塾大学教授=中東政治、難民研究)
    2024年9月21日9時26分 投稿
    【解説】

    ポケベルなど通信機器を使用したヒズブッラー関係者の殺害は、イスラエルの諜報機関が何年も前から計画していたものだという。だが今回対象とされた機器自体は、イスラエルからの盗聴を避けるためにヒズブッラー側が数か月前に購入したものともされ、その場合

    …続きを読む
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    高橋真樹
    (ノンフィクションライター)
    2024年9月28日17時42分 投稿
    【視点】

    高久記者のコメントにある「(イスラエル軍や政府の説明は)攻撃で殺害される側にとってはさして意味がありません」「イスラエル軍や政府関係者、市民を取材していて感じるのは、(自国民以外の)市民を自分たちが殺害していることの自覚の欠如です」という部

    …続きを読む
イスラエル・パレスチナ問題

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イスラム組織ハマスが2023年10月7日、イスラエルに大規模攻撃を行いました。イスラエルは報復としてハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区に攻撃を始めました。最新のニュースや解説をお届けします。[もっと見る]