政治資金、時代遅れの情報公開 一つずつPDF洗い出した不記載

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野口陽

現場へ! 見えないカネ①

 きっかけは、ひとつの新聞記事だった。

 「パー券収入2500万円分不記載」「3年間で59件」

 2022年11月のしんぶん赤旗日曜版。自民党の5派閥が、政治資金を集めるために開いたパーティーの収入を、政治資金収支報告書に記載していないことを報じた。これがやがて裏金事件として党を揺るがし、岸田文雄首相の退陣までつながっていく。

 記事を手がけたデスクの山田健介(51)と記者の笹川神由(かみゆ)(33)に、編集局のある東京・代々木で経緯を聞いた。

 笹川は21年12月、東京都内で開かれた自民党国会議員の政治資金パーティーを取材して、強い違和感を覚えたという。会費は1人2万円。着席形式で、壇上でゼネコン幹部らが議員を激励し、大型スクリーンには岸田文雄首相のビデオメッセージが流れた。

 料理や飲み物は一切出なかった。当時はコロナ下で、衛生面の配慮もあったかもしれないが、議員側が大きな利益を得られるのは明らかだった。

 運送会社の運転手として働いた経験がある笹川は、中小企業がお金を稼ぐ大変さを肌で知る。その多くがコロナ禍で経営に苦しむ中、「政治家は『ぬれ手であわ』のようにお金を集めている。こんなことが許されるのか」。山田と相談し、自民党のパーティーについて調べ始めた。

 書類の不備を最初に報じたのは22年6月。電気技術者らでつくる政治団体の政治資金収支報告書に、安倍派のパーティー券計36万円分、麻生派計40万円分を購入したと書かれていた。

 一方、両派閥の政治団体の報…

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この記事を書いた人
野口陽
経済部
専門・関心分野
経済産業政策、政治資金、調査報道
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    平尾剛
    (スポーツ教育学者・元ラグビー日本代表)
    2024年9月2日17時0分 投稿
    【視点】

    『運送会社の運転手として働いた経験がある笹川は、中小企業がお金を稼ぐ大変さを肌で知る。その多くがコロナ禍で経営に苦しむ中、「政治家は『ぬれ手であわ』のようにお金を集めている。こんなことが許されるのか」』 笹川氏のこの義憤に私は同意するし、

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