「中国は平和の破壊者」とフィリピン国防相 無人の浅瀬めぐり攻防

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バンコク=大部俊哉 北京=畑宗太郎

 「中国は、東南アジア地域における最大の平和の破壊者だ」

 フィリピンのテオドロ国防相は27日、首都マニラで開かれた米インド太平洋軍司令部の会合で、中国を非難した。南シナ海のサビナ礁近海への進出を強める中国に対し、フィリピンでは危機感が急激に膨らんでいる。

 テオドロ氏は報道陣の取材に対し、中国が国際秩序を自国の都合のいいものにつくりかえようとしている、と指摘。国際社会はより強く危機感をもつべきだと訴え、「中国を躊躇(ちゅうちょ)させるだけの世論と、軍事的抑止力をつくり出すことが必要だ」と連帯を呼びかけた。

 サビナ礁はフィリピンの排他的経済水域(EEZ)内のスプラトリー(南沙)諸島にあり、中比両国が領有権を争う。フィリピン政府によると、5月に中国による埋め立ての痕跡が見つかり、6月には中国の調査船が確認された。8月に入ってからは両国の船舶が衝突してフィリピン船が損傷したり、放水を受けたりする事件が相次ぐ。

サビナ礁がもつ意味

 サビナ礁はフィリピン軍が拠…

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この記事を書いた人
大部俊哉
マニラ支局長|東南アジア・太平洋担当
専門・関心分野
安全保障、国際政治、貧困問題
畑宗太郎
中国総局
専門・関心分野
中国の外交、安全保障、社会、東南アジア情勢