浄水場の耐震化率、東京は全国最下位の13% なぜ進まないのか

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松浦新

 9月1日は「防災の日」。1923年のこの日に関東大震災が起きたことなどから、さまざまな災害への心構えをする日とされていますが、人口約1400万人の首都・東京にとって気がかりな数値があります。生活インフラの一つである浄水場の耐震化率が直近のデータで13.2%と全国最下位なのです。なぜ進んでいないのでしょうか。

 能登半島先端にある石川県珠洲市の「宝立浄水場」を7月下旬に訪れた。国道から浄水場に向かう道路脇では仮設の配水管がむき出しになっている。最大震度7を観測した1月の能登半島地震で1日8千トンの処理能力の半分を失った。

 いま、浄水場には高さ約3メートル、直径2メートル余りのタンクが3基置かれ、1基あたり1日1千トンの飲める水をつくる。浄水場で使われる濾過(ろか)砂を扱う「日本原料」(川崎市)が災害を見据え備蓄していた「モバイルシフォンタンク」だ。珠洲市の要請から約2週間後には水を出せるようになった。

 珠洲市によると、浄水場の2…

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松浦新
経済部
専門・関心分野
不動産、IT、社会保障