広島に来たイスラエル大使 「瀬戸際外交続ければ…」アラブから警鐘

有料記事

興野優平 編集委員・石合力

 イスラエルによるパレスチナ自治区ガザへの攻撃が続く中、広島市は6日の平和記念式典にイスラエルを招いた。アラブ諸国からは、イスラエルへの懸念や事態の沈静化を求める声が相次いだ。

 市民を含むパレスチナ人の犠牲者が3万9千人を超すガザ地区南部ラファと境界を接するエジプト。モハメド・アブバクル大使は初めて広島の式典に出席した。

 「中東地域で我々が直面している切迫した状況の中で、広島は平和の象徴だ。我が国は事態の深刻化を避けるためにあらゆる努力をしているが、一部の勢力、特にイスラエルが(核の恫喝(どうかつ)やイスラム組織ハマス壊滅などの)瀬戸際外交を続ければ、全世界を後戻りできないところまで追い込みかねない。(ハマスに対して)完全な勝利を得ようとする考えは幻想だ」と語った。

 イスラエルが事実上の核保有国と見なされているなか、エジプトは中東地域の非核化を求めるなど核軍縮外交に積極的に取り組む。

「イスラエルは自衛権を行使している」記者の質問に答えた大使は

 「広島は、だれもが平和に取…

この記事は有料記事です。残り1720文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

【春トクキャンペーン】有料記事読み放題!スタンダードコースが今なら2カ月間月額100円!詳しくはこちら

この記事を書いた人
興野優平
広島総局|県政担当
専門・関心分野
文芸、核、人口減少、ジェンダー
石合力
編集委員
専門・関心分野
国際政治(核問題、中東など)、芸術と社会
  • commentatorHeader
    三牧聖子
    (同志社大学大学院准教授=米国政治外交)
    2024年8月6日21時53分 投稿
    【視点】

    イスラエルを招待した広島。対して長崎は招待しなかった。このことを問題視したイギリスのロングボトム駐日大使は、9日に長崎で開かれる平和祈念式典に欠席する意向だという。「ウクライナ侵攻を理由に招待していないロシア、ベラルーシとイスラエルが同じ扱

    …続きを読む
イスラエル・パレスチナ問題

イスラエル・パレスチナ問題

イスラム組織ハマスが2023年10月7日、イスラエルに大規模攻撃を行いました。イスラエルは報復としてハマスが実効支配するパレスチナ自治区ガザ地区に攻撃を始めました。最新のニュースや解説をお届けします。[もっと見る]