電気自給の軸は地熱発電 三菱マテリアル、3年1カ所ペースで開発
山本精作
地熱発電を軸にした再生可能エネルギーで電気を自給し、2050年度までにカーボンニュートラルを実現する――。炭鉱を祖業とする非鉄金属大手の三菱マテリアルが、そんな目標を掲げた。岩手で稼働させた地熱発電所を足がかりに、3年に1カ所のペースで新たな開発に着手する方針だ。
岩手県八幡平市の山岳リゾート、安比高原の中心から細い山道をクルマで30分ほど登ると、標高1100メートルの国有林付近から蒸気が立ちのぼっているのが見えてくる。三菱マテリアルの子会社が今春に営業運転を始めた安比地熱発電所だ。
地熱発電は地中のマグマによって熱せられた地下水や蒸気をつかって電気を生み出す。安比の発電所では、深さ2千メートルの井戸から蒸気を取り出してタービンを回す。発電能力は1.5万キロワット。一般家庭2万6千世帯分の電気をつくり、地元の東北電力ネットワークに売電する。三菱マテが買う分と相殺して事実上の自給率を高める。
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