マスク氏、ハリス副大統領の偽動画をXで拡散 規約違反の可能性

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サンフランシスコ=五十嵐大介

 起業家イーロン・マスク氏が、自身が所有するX(旧ツイッター)でハリス米副大統領の偽動画とみられる動画を拡散させ、批判が広がっている。米大統領選を前に、生成AI(人工知能)で作られた偽コンテンツ「ディープフェイク」の影響が問題視されるなか、米メディアはマスク氏の行為がXの規約違反にあたる可能性があると指摘している。

 問題の動画は「ミスターレーガン」というユーチューバーのアカウントで投稿された。ハリス氏の陣営が25日に公開した大統領選の広告動画を加工したとみられるもので、ハリス氏に似た声で「バイデン氏が討論会で老衰をさらしたおかげで私は大統領選の候補者となった。ありがとう、ジョー」「私は女性で、有色人種だ。もし私が言うことを批判するなら、あなたは性差別主義者であり、人種差別主義者だ」などとナレーションがついている。

 元の投稿では「ハリス陣営の広告のパロディー」と書かれていたが、マスク氏は26日、パロディーとは言及せず、「これは素晴らしい」とのコメントと共に動画をシェア。28日夜時点で、マスク氏の投稿は1億2千万回以上表示され、92万件以上の「いいね」がつけられた。

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 Xが昨年4月に公開した規約…

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この記事を書いた人
五十嵐大介
編集委員
専門・関心分野
テクノロジー、経済、グローバリゼーション
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    伊藤昌亮
    (成蹊大学文学部現代社会学科教授)
    2024年7月30日18時34分 投稿
    【視点】

    マスク氏とともにペイパルを立ち上げたその盟友、ピーター・ティール氏によれば、リベラルは既存の世界が続いていくことを前提に、その中での再分配政策に傾注しているだけだといいます。それに対して自分たちは、世界そのものを作り出していくのだ、と。

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