五輪の理念と戦争の現実 尽きぬ醜聞 100年の時を経て託す希望
ロシアによるウクライナ侵攻とイスラエルによるパレスチナ攻撃が続く中、パリで五輪が開幕した。「平和の祭典」の理念は過酷な現実に直面し続けている。
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五輪の直前、ウクライナを訪れた。ロシアが全面侵攻してから10回目になる。
首都キーウ中心部の体育館は屋根や壁がミサイル攻撃で吹き飛んでいた。こんな風に破壊されたスポーツ施設がウクライナには500以上ある。アスリートは、487人が殺された。
西部リビウでは、未来の五輪出場をめざす学生たちのレスリング大会が開かれていた。電力不足で、発電機の音が街中に響く。欧州3位の実績を持つ学生ビクトルさん(17)は北部ハルキウのスポーツ学校に通っていたが、それも砲撃で大破した。電気が止まり、暗闇で練習することもある。「平和な環境で生き、トレーニングがしたい」。水泳のパラリンピアンのダニーロさん(35)はロシアの侵攻後、「スポーツは人々に必要なのだろうか」と自問し、もがいた。約9カ月後に練習を再開したのは、現状を大舞台で伝えたいから。
戦時下のアスリートたちには…
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- 【視点】
パリで開催の五輪大会。この記事が指摘するように、本当に平和実現への一押しになってほしいものですね。 まだまだ、五輪の意義はありますが、その一方で、開会式のイベントを英国にいてテレビで見ていると、大きな疑問もわいてきました。 とても見事な
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