国家公務員の給与が最低賃金割れ 高卒初任給、全国200機関以上で

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松浦新

 国家公務員の給与が、最低賃金を下回っている地域があることがわかった。高卒一般職の初任給を時給に換算すると、地域の最賃を下回るのは少なくとも8都府県で200機関を超える。公務員は最賃制度の適用は除外されているが、人事院は最賃を下回らないように対応を検討している。

 最賃は都道府県ごとに時給で示されているが、正社員にも適用される。

 現在、国家公務員の高卒一般職の初任給は16万6600円。前年から1万2千円引き上げられている。

 国家公務員の給与を定める「給与法」では、超過勤務手当を算出するための「勤務1時間あたりの給与額」の計算方法が示されている。これに基づいて計算すると高卒初任給の時給は約992~約1191円になる。時給に幅があるのは、勤務先がある市町村ごとに0~20%が加算される「地域手当」があるためだ。

兵庫県では43機関、神奈川県では34機関

 日本国家公務員労働組合連合…

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松浦新
経済部
専門・関心分野
不動産、IT、社会保障
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    小熊英二
    (歴史社会学者)
    2024年7月23日10時16分 投稿
    【視点】

    最低賃金の高い関東・近畿・愛知で、国家公務員の給与が最賃を下回っている。これは最賃は地域別に決まるのに対し、国家公務員の給与は全国一律に決まるためである。 国家公務員給与は、民間企業の給与調査をもとに決める。裏を返していえば、上記の地域以

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    浅倉拓也
    (朝日新聞記者=移民問題)
    2024年7月22日10時46分 投稿
    【視点】

    給料が高かろうが安かろうが全力で働く労働者は、日本の誇りだと思っています。しかし、これだけ物価が上がったいま、この給料では1人で暮らしていくのも余裕がなく、子どもを育てるとなれば相当厳しいでしょう。もう、いい加減にしませんかと言いたくなりま

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