入学後の成績や「不可」予想 入試や学力調査で広がるパソコン利用

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編集委員・宮坂麻子

 コンピューターを使った試験「CBT(Computer Based Testing)」が、全国の学力調査や入試で導入されるようになってきた。GIGAスクール構想の本格導入から4年目になり、子どもたちも端末操作に慣れ、解答時間などのデータを生かす取り組みも進みそうだ。

 来春、高校を卒業する人は、GIGAスクール構想で遅くとも中学2年生から1人1台の端末を配布され、高校で「情報Ⅰ」を学んだ世代となる。

 電気通信大学(東京都調布市)は、今秋の入試からコンピューターを使った試験CBTを導入することにした。実施するのは、情報理工学域Ⅰ類(情報系)の総合型・学校推薦型選抜で、情報・数学の「基礎学力検査」(120分~180分)と主体性を持って多様な人と協働できる態度などを測る「非認知能力調査」(10分程度)を行う。

 昨年11月、「CBT体験会」が同大学で開かれ、高2生約50人が参加した。

 横からのぞき見できないようにしたパソコンで、問題文やデータなどを見て、プログラムなどを打ち込んで解答していく。拡大したり、明るさを変えたり、それぞれ調整して画面をのぞく。

9割が「抵抗感なかった」

 事後アンケートでは、CBTへの抵抗感は「ほとんどなかった」50%、「全くなかった」39%、「ややあった」が8%。理由は「普段からパソコンで模試や検定を受けているから」「日常的にパソコンを使用しているから」などが多く、「記述解答より時間短縮できる」「手書きだと書き間違いなどで減点されるので、今回の方が安心できた」という声もあった。

 高校向け説明会では、「プログラミングの実践力などを評価してもらえてありがたい」「筆記テストでは実力が出せない子も増えており、配慮が容易なCBT入試は救われる」などの声があったという。

 入試とは別に、昨年4月から…

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この記事を書いた人
宮坂麻子
編集委員|教育・こども担当
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教育・こども