KADOKAWAのシステム障害 書店に本届かず 電源切断して対応
出版大手KADOKAWAグループがサイバー攻撃を受け、大規模なシステム障害が起きている。複数のサイトや書籍の受注システムが停止、「ニコニコ動画」など利用できないサービスも出た。影響は各所に広がっている。いったい何が起きたのか。
「棚がすかすか。発注できないので……」。東京都杉並区の書店では売れ筋のコミックを注文できない日が続く。コミックやライトノベルの売り場担当者によると、KADOKAWAが発行するコミック「ダンジョン飯」全14巻のうち、タイトルの半分ほどが売り切れ。客から注文の依頼があっても断るしかないという。「在庫を持つネット書店など他での購入を案内しますが、うちにとっては売り逃しです」
通常、取次会社を通じて週に段ボール9箱分ほどの入荷がある注文品が、1箱も届かなくなった。取次からは発注を控えるようにとの連絡もあったという。
チェーンの大型書店も対応に苦慮している。KADOKAWAの営業担当者にメールや電話で発注しているが、出荷を管理するシステムが使えないため、通常なら10日~2週間ほどで届く商品も客には「いつ届くか分からない」と案内するしかないという。
今月8日の障害発生後、KADOKAWAは臨時サイトを開設し、SNSも駆使して情報発信を続けているが、影響は深刻だ。
書籍の受注システムや物流シ…
- 【視点】
ニコニコ動画が落ちているのは知っていたが、KADOKAWAグループ全体に影響が出ているとは。物理的な被害のインパクトも大きい。直近の総務省『情報通信白書』でも日本社会におけるPF事業や偽情報対策等の認知がベンチマークとする諸外国と比較して遅
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