第1回「医者にするため金払った」父が強いた中学受験 6年後に起きた異変

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高浜行人

 「医者になれ」

 首都圏に住む男性(20)は、医師の父からそう言い聞かされて育った。

 生涯年収がいいから、安定しているから。そんな理由も、父はことあるごとに説いた。

 成長するにつれ、父の要求と自分の希望にズレが生じていった。それでも父は考えをまげず、威圧的な言動で男性を意のままに操ろうとした。

 受け続けた重圧と、逆らえない無力感。中学受験をなんとか切り抜けた男性に異変が訪れたのは、ずいぶん後になってからだった。

中学受験を経て、全国有数の難関校に進学した男性。父との関係に長く苦しんだ末、大学受験期に、思いをつづった「手紙」をしたためます。

「殴るぞ」 激高する父

 小1の頃、父の意向で大手学…

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この記事を書いた人
高浜行人
東京社会部|教育班キャップ
専門・関心分野
学校教育、受験、教育行政