昨夏の大雨で被災 JR山陰線の一部区間、22日に再開
【山口】昨夏の大雨で被災し、一部区間で運休が続くJR山陰線について、JR西日本は22日から長門市―人丸間と滝部―小串間で運転を再開させる。不通の区間は残るものの、沿線住民らから「一歩前進」と歓迎の声が上がっている。
JR西は再開に向けての試運転で、運転士の訓練や踏切・信号など設備の確認を行ってきた。
初日の7日、試運転列車は小串駅から電気系統や保線の担当者を乗せ、滝部駅まで時速25キロ以下の低速で走った。車上から線路の状態や倒木などの障害物がないかの確認もしたという。
立ち会った下関保線区長門管理室の原田智美室長(60)は「(再開区間の)工事は全部終わり、最終点検をする。お客様に安全に乗って頂けることを目指したい」と話していた。
17日には、被災の程度が最も大きかった粟野川橋梁(きょうりょう)(長門粟野駅~阿川駅間)の工事に着手した。工事期間は約1年半を見込み、人丸―滝部間は2025年度中に運転を再開させる方針という。
滝部駅に近い下関北高校は被災前、約120人の生徒のうち80人が山陰線で通学していた。同高が県に要請し、小串駅から学校までバスを走らせる対応が取られたが、不便は否めない。同高への進学を望む中学3年生の保護者らが昨年12月、早期復旧の働きかけを下関市に求めるなど、地域ぐるみの動きが実を結んだ。
同高の原本悦美校長は「生徒たちも運転再開を喜んでいる。月曜日の24日からは列車から元気に降りてくる生徒の姿が見られ、地域にも活気が戻ると思う」と期待を込める。
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