三菱モルガン証券「主幹事外し」相次ぐ 企業や団体、処分勧告で敬遠
三菱UFJフィナンシャル・グループ(MUFG)傘下の銀行と証券が顧客情報を違法に共有していたなどとして、証券取引等監視委員会が金融庁に対し処分勧告したことを受け、三菱UFJモルガン・スタンレー証券(MUMSS)が起債などの業務を担う主幹事証券から外される動きが相次いでいる。
金融庁から行政処分が出れば、この動きはさらに広がる可能性があり、業績にも響きそうだ。
政府系金融機関の日本政策投資銀行は17日、7月にも発行を予定する社債の主幹事からMUMSSを外した。住宅金融支援機構も債券発行の主幹事の1社をMUMSSから大和証券に変更した。
神奈川県は7月に発行を予定する20年債について、3社ある主幹事の1社をMUMSSから野村証券に変える。同県の担当者は「そもそも20年債の需要が少ないことに加え、報道を受けて投資家がさらに購入を控える動きがあり、起債の運営に影響があるため」と理由を説明する。
影響は公的分野にとどまらず民間企業にも及ぶ。イオンは6月下旬に発行を予定する社債計500億円の主幹事からMUMSSを外した。担当者は「総合的に判断した」と話す。NECも同様の措置をとった。
主幹事証券は企業が証券や社…