リニア、山梨工区のトンネル掘削合意 静岡・山梨・JRの3者
山梨県の長崎幸太郎知事は18日の記者会見で、リニア中央新幹線南アルプストンネルの山梨県内での工事をめぐり、静岡側から山梨側に流出する可能性がある水量の推定作業と並行して、ボーリング調査や本坑の掘削工事を進めていくことで、山梨県、静岡県、JR東海の3者で合意したと発表した。
発表によると、静岡県は、山梨側に流出した水について所有権を主張して返還を求めないことを確認。その上で、山梨県側へ自然の状態で流れている水に加え、ボーリング調査や掘削工事などの人為的な要因によって新たに加わった可能性のある水量を、工事を進めながら、静岡県とJR東海が推定する。
そして、工事などによって山梨側に流れる水が増えることが、健全な水循環に悪影響を及ぼすと判断された場合は、静岡県とJR東海で調整して回復措置を取ることとした。
南アルプストンネルの山梨工区については、川勝平太・前静岡知事が、地下水への影響などを理由に、JR東海に対して、県境から300メートル以内で掘削を行わないように求めていた。ボーリング調査は、8日現在で、県境まで339メートルまで進んでいた。
長崎知事は会見で、「この合意により、県内の南アルプストンネルの工事が着実に進み、静岡県の懸念にも応えられる」と胸を張った。
JR東海広報部は、山梨県内のトンネルの掘削工事については「ボーリング調査により山梨県内の地質や湧水(ゆうすい)の状況を把握した後、先進坑や本坑の掘削工事を進めていく」とコメント。さらに、静岡県側についても「地質や湧水の状況を把握することが、流域関係者の不安解消につながると考えており、早期に県境を越えて静岡県内についてもボーリング調査を実施していきたい」としている…
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