日本の脅威はずっと円高だった いまの円安は「初めてで歴史的局面」

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内藤尚志

超円安時代

歴史的な円安ドル高が続いている。家計の負担は膨らむ一方、輸出企業には過去最高益をもたらした。34年ぶりの円安水準は、私たちにとって、企業にとって、日本にとって、「恵み」か「災い」か。その功罪を解き明かす。

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 原料を輸入し、製品にして輸出するモデルで成長してきた貿易立国・日本は、為替相場の変動とは無縁でいられない。

 政府がこれまで、もっぱら脅威とみなしてきたのは、「円高」だった。

 原点の一つは1985年の「プラザ合意」といわれる。日米欧の先進5カ国(G5)がドル高是正に向けて、為替の協調介入を決定。1ドル=240円前後から一気に円高ドル安が進み、翌年には150円台に突入した。

 「為替をいじくって遊んでいると、財界人から責められた」。当時の大蔵省(現財務省)で国際金融局長や財務官として対応にあたった行天豊雄さん(93)は、そう明かす。

 批判の急先鋒(きゅうせんぽ…

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この記事を書いた人
内藤尚志
経済部
専門・関心分野
雇用・労働、企業統治(ガバナンス)、経済政策