性被害の支援拠点、公立病院への移転を要望 「民間では困難」
性暴力被害に遭った人のケアをするNPO法人「性暴力救援センター・大阪(SACHICO)」が7日、新たな拠点を公立病院へ置くことを求める要望書を大阪府に提出した。
SACHICOは24時間態勢で相談を受け、産婦人科による診療や警察との連携を調整するなど、被害者や家族を「ワンストップ」で支援する。2010年から松原市の民間病院・阪南中央病院を拠点に活動、府は補助金を出している。
開設以来22年度まで利用者は増加傾向で、同年度は初診だけで406人が利用したが、昨年度は医師不足で対応に手がまわらないこともあり、約7割減の121人しか診察できなかった。医師の働き方改革も進み、SACHICOは「民間病院でワンストップセンターの機能を維持するのは困難」と訴える。阪南中央病院も経営面の事情などから今年度末までに事務所の退去を求めている。
要望書では、公立病院を拠点とするワンストップセンターを開設することや、SACHICOの新たな活動拠点を府が責任を持って定めることを求めた。久保田康愛(やすえ)理事長(60)は「被害者を守るためになくてはならない場所だが、今のままでは活動を続けられない。公的な病院の中で活動を続けられるよう府には早急に対応してほしい」と話した。
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