140人態勢で生成AIを監督、違反も調査 EU、AI法の成立受け

牛尾梓
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 欧州連合(EU)の行政を担う欧州委員会は29日、人工知能(AI)を包括的に規制するAI法の成立を受け、「AI事務局」の詳細を明らかにした。「ChatGPTチャットGPT)」といった生成AIを中心に監視する組織で、6月中旬にも本格的に業務を始める。

 AI事務局は、技術者や弁護士など140人態勢になる見通しで、特に生成AIについて、AI法の定めた義務を履行しているか監視する。リスクの評価方法を決め、学習に使ったデータの要約などから、規制に違反していないか調査する大きな権限を持つことになる。AI法を根拠に、企業や個人を規制する法令の準備も担うという。

 21日に成立したAI法では、進化が著しい生成AIについても規定が設けられた。著作権の順守や、AIを開発するために使ったデータの詳細な概要を公開することなどが義務づけられている。

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この記事を書いた人
牛尾梓
欧州総局|欧州連合(EU)担当
専門・関心分野
国際政治、データジャーナリズム、AI、OSINT