娘の殺害現場に毎月献花する母 「連れて帰ってあげないと」
有元愛美子 仁村秀一
27歳だった小沢桃子さんが埼玉県飯能市の山奥で殺害され、遺体で発見されたのは2022年11月。警察が容疑者と断定したのは、元交際相手で一緒に遺体で見つかった男だった。事件後、周囲に心中と誤解された悔しさを抱える母の総子さん(52)は月命日の25日、毎月欠かさず現場を訪れ、花を手向けている。
日中でも薄暗い山林を抜けた先に、小さな空き地があった。名もない山で、豊かな自然に囲まれ、景色が美しい。埼玉県川口市の自宅から約80キロ離れたこの場所で、総子さんは3月25日、車を止め、手を合わせた。長女桃子さんが遺体で見つかった場所だ。
「モモがいないのは分かっている。でも、もしいたら連れて帰ってあげないといけないから」
モモは命を奪われる直前、このきれいな景色を見ただろうか――。
■容疑者は元交際相手、自殺と…