同性カップルの日本人女性が昨秋、カナダで難民認定を受けた。性的指向を隠すことを強いられたりセクハラを受けたりしてきたことなどが、同性愛者や女性であることで受ける差別であり、同性婚を認めず家父長的な価値観が根強い日本ではそれらの差別から逃れられないとして、カナダ政府の移民難民委員会が「日本での迫害に対して(当事者が)十分根拠がある恐怖を抱いている」と認めた。
難民と認められたのは50代と30代の女性。それぞれ「ハナ」さんと「エリ」さんの名前でカナダでの永住が認められた。
もともとは日本で自治体の同性パートナーシップ制度で証明書を得ていた。しかし異性婚の夫婦と同等の法的保護を受けられず、また職場や地域社会で差別を受け続けたため、ハナさんが学生ビザを取り、2人で2021年にカナダに渡った。
そこで、カナダ政府が性的少数者を難民として受け入れていることを知った。学生ビザには期限がある。「カナダで住み続けるためには、特別なスキルのない私たちにとって他に選択肢がなかった」。22年11月から申請の手続きを始めた。
日本で受けた差別などをつづったリポートや、日本の法整備の現状などを証明する200ページを超える資料を提出。担当者との面接や公聴会などを経て23年9月、カナダ移民難民委員会から難民認定を得た。
「性的少数者の人権守られない」カナダの判断理由は
難民決定通知書では、2人が…
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