最速320キロのEVレース「フォーミュラE」 充電技術も競い進化

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市野塊
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 電気自動車(EV)の性能は、レースができるほどに進化してきた。技術の向上は、脱炭素社会に向けたEV普及の後押しにつながりそうだ。

 マシンが近づく度に「キュイーン」という甲高い音が響いた。ガソリン車のようなエンジン音はしないものの、モーターとブレーキの音は劣らないほどの大迫力だった。

 3月末、日本では初めての、電気で走るフォーミュラカーの国際レース「フォーミュラE」が東京都江東区で開催された。全長約2.5キロのコースを、最高時速320キロのマシンが疾走した。

 フォーミュラEは2014年から始まり、今年で10シーズン目だ。日本からは日産自動車のチームが参戦。ヤマハ発動機もモーターなどの開発で参戦を発表している。

EVの最新技術がふんだんに

 レースの狙いは、EVの普及促進だ。EVへの転換は、ガソリン車から排出される温室効果ガスを減らすために重要になる。世界のガス排出量のうち、飛行機や車などの運輸部門由来は5分の1を占め、その約半分が乗用車だとされる。

 ただ、航続距離などでガソリン車に劣る点もあり、購入を足踏みする一因にもなっている。フォーミュラEはそんなEVの技術の見本市としての役割も果たす。

 フォーミュラEのジェフ・ド…

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