魔女狩りの場ではなかった 「トランプ法廷」通ったNY支局長の視点

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ニューヨーク=中井大助
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ニューヨーク支局長 中井大助

 トランプ前米大統領に司法の審判が下った。ニューヨーク州の裁判所で、一般市民から選ばれた12人の陪審員が、34件の業務文書偽造の罪について有罪と認定した。

 米大統領経験者が刑事裁判で有罪となるのは、史上初めてだ。しかも、トランプ氏は11月の大統領選で共和党から立つ次期大統領候補でもある。

 「元不倫相手への口止め料を隠すために業務記録を偽造した」という今回の事件は、トランプ氏個人のスキャンダルとして矮小(わいしょう)化されやすい面がある。だが、検察は公判で、2016年の大統領選に不利な影響が生じないための工作だと強調した。その後、トランプ氏は実際に大統領に当選した。

 次の20年の大統領選では有…

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この記事を書いた人
中井大助
アメリカ総局長
専門・関心分野
アメリカの社会、政治、文化
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    鈴木一人
    (東京大学大学院教授・地経学研究所長)
    2024年6月1日16時10分 投稿
    【解説】

    地方検察官(DA)はそもそも選挙で選ばれるので、どちらかの政党に属しているケースが多く、それを「党派性」というならアメリカの裁判は全て党派性を帯びることになる。また、マンハッタンの住民が陪審員になっているが、マンハッタンの中にも共和党支持者

    …続きを読む