石炭火力「35年までに廃止」 G7環境相会合、解釈には余地残す

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市野塊

 主要7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合がイタリア・トリノで開かれ、30日、G7として初となる、石炭火力発電の廃止年限などを盛り込んだ共同声明を採択した。遅くとも2035年までの段階的な廃止をうたい、脱炭素の加速へ道筋をつけた格好だが、解釈の余地も残した。

 共同声明では石炭火力について、「30年代前半」までに段階的に廃止するとした。ただし、対象は「(温室効果ガスの)排出削減対策のない」施設。年限も、「30年代前半あるいは産業革命前からの気温上昇を1.5度までに抑えられる時間軸」という表現になった。具体的な対策や時間軸は明示されていない。

 化石燃料を使った火力発電は、気候変動の原因となる温室効果ガスの排出量が多く、中でも石炭火力は発電量当たりの排出量が最大だ。年限については、国際エネルギー機関(IEA)が21年の報告書で、先進国は30年代には廃止が必要だとしていた。

 昨年のG7環境相会合でも廃…

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この記事を書いた人
市野塊
科学みらい部兼国際報道部|環境省担当
専門・関心分野
気候変動・環境、医療、テクノロジー
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    井本直歩子
    (元競泳五輪代表・途上国教育専門家)
    2024年4月30日23時46分 投稿
    【視点】

    これまで日本だけが固辞してきた年限を明記した歴史的合意。しかしこの、おそらく日本の譲歩案である「ただし」以下には、大きな疑問が残る。「30年代前半あるいは産業革命前からの気温上昇を1.5度までに抑えられる時間軸」とは?どんな科学的根拠で石炭

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    蟹江憲史
    (慶應義塾大学大学院教授)
    2024年5月1日16時45分 投稿
    【視点】

     「段階的廃止」との文言が入ったのは前進だといえます。ただし、合意は最低レベルを示しているものだという認識が必要です。  脱炭素が避けられないとすれば、早く脱炭素を実現することが、経済的な利益に直接的につながります。コストが下がるからとい

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