主要7カ国(G7)気候・エネルギー・環境相会合がイタリア・トリノで開かれ、30日、G7として初となる、石炭火力発電の廃止年限などを盛り込んだ共同声明を採択した。遅くとも2035年までの段階的な廃止をうたい、脱炭素の加速へ道筋をつけた格好だが、解釈の余地も残した。
共同声明では石炭火力について、「30年代前半」までに段階的に廃止するとした。ただし、対象は「(温室効果ガスの)排出削減対策のない」施設。年限も、「30年代前半あるいは産業革命前からの気温上昇を1.5度までに抑えられる時間軸」という表現になった。具体的な対策や時間軸は明示されていない。
化石燃料を使った火力発電は、気候変動の原因となる温室効果ガスの排出量が多く、中でも石炭火力は発電量当たりの排出量が最大だ。年限については、国際エネルギー機関(IEA)が21年の報告書で、先進国は30年代には廃止が必要だとしていた。
昨年のG7環境相会合でも廃…