桂由美さん、他界前日に入学式でスピーチ 時代築いたデザイナー人生

有料記事

松沢奈々子 田中ゑれ奈 編集委員・後藤洋平

 ブライダルファッションを日本に広めたデザイナーの桂由美(かつら・ゆみ、本名結城由美〈ゆうき・ゆみ〉)さんが26日、94歳で死去した。本人の意向で葬儀は行わず、後日追悼ショーを開催する予定。今後は、桂さんを30年以上支えたスタッフのデザイナー3人が率いるクリエーティブチームによってブランド「ユミカツラ」を継続するという。

 東京都出身。共立女子大家政学部被服学科を卒業し、1964年に日本で初めて西洋のウェディングドレスを販売するブライダル専門店を東京・赤坂に開いた。

 ただ、当時の結婚式の多くが和装だった。インタビューでは当時を振り返り「婚礼衣装の97%が着物。オーダーは1年で30人しかなかった」と語った。そこで、ウェディングドレスの素晴らしさを訴えるために開いたのがブライダルショー。草笛光子さんら人気女優をキャスティングして注目を集めた。この成功は近年に至るまで桂さんが著名人を起用してブライダルショーを続けた原点となっている。

 69年には「全日本ブライダル協会」を立ち上げ、洋風の結婚式に対応できる美容師や式場関係者などの育成にも力を入れた。87年のパリなど、海外でも多くのショーを開いた。

湯川れい子さんは前日に…「手のぬくもりと重み、まざまざと」

 和服の「お引きずり」を模し…

この記事は有料記事です。残り1277文字有料会員になると続きをお読みいただけます。

※無料期間中に解約した場合、料金はかかりません