温度差の自公、疑心暗鬼の立維 解散も念頭に規正法改正で思惑交錯

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松山尚幹 大久保貴裕 小林圭
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 衆院で政治資金規正法改正などを議論する特別委員会が26日に初めて開催され、自民と他党との間の温度差が改めて浮き彫りになった。再発防止策にとどめたい自民に対し、抜本改革を他党が求める構図。次期衆院選を念頭に、各党の思惑も交錯している。

 自民、公明両党は、与党としての改正案をまとめるべく、この日も含めて連日実務者同士による協議を行った。これまでの協議で両党は、「確認書」による「いわゆる連座制」の導入、外部監査の強化、収支報告書のオンライン提出などで一致した。

 ただ、自民は今回の事件とは直接関係しない「政治とカネ」の抜本改革には後ろ向きだ。野党が掲げる企業・団体献金政治資金パーティーの全面禁止などが実現すれば、政治資金の収入源が絶たれることになる。自民若手は「我々は個人経営者でもある。収入の一部だったものが消えてしまったら、そりゃあ困る」と話す。

 そうした自民の姿勢に対し、同じ与党の公明も不満を募らせている。公明は、政党から議員個人に支出され使い道を明らかにしないで済む「政策活動費」について、使途公開の義務化を掲げ、政治資金パーティー券購入者の公開基準額も20万円超から5万円超へ引き下げたい考え。自民はいずれも具体案を示していない。

 石井啓一幹事長はこの日の記者会見で「少なくとも改革の方向性はしっかりと示される形で与党案をまとめていきたい」と訴えた。両党は大型連休明けにも与党案の合意を目指しているが、隔たりは大きく、協議の成否は不透明な状況だ。

 28日投開票の衆院島根1区補選では自民候補の苦戦が伝えられている。踏み込み不足の改革に終われば、次期衆院選で自民と共闘する公明の得票にも悪影響を及ぼす可能性がある。公明幹部は「実効性に乏しい自民案でまとまるようなら、うちの党は立っていられない」と懸念を口にした。

両にらみの維新に、疑心抱く立憲

 改革に消極的な姿勢が目立つ…

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