労基法「40年に1度」の大改正? 働き方が多様化、進む見直し議論

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宮川純一 楢崎貴司
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 時間外労働の上限規制が導入された働き方改革関連法の施行から、4月で5年が経った。厚生労働省では、働き方の多様化に対応するため、労働基準法などのより抜本的な見直しも視野に入れた議論が進んでいる。「40年に1度」(同省幹部)とも言われる大改正につながるのか、関心が高まっている。

 「今後の議論を通じ、政策の進むべき方向性を打ち出すことができればと考えている」

 23日に厚労省で開かれた「労働基準関係法制研究会」で、座長の荒木尚志・東大大学院教授(労働法)はこう語った。

 研究会は、経済学者や産業医ら計10人のメンバーで今年1月にスタートした。検討事項の議論は一巡し、この日が6回目となった。働き方改革関連法に盛り込まれた施行5年後の見直しを検討する役割を担い、労働時間規制などを改めて議論。さらに、フリーランスら多様化する働き手の健康管理のあり方や、労働条件を決める労使のルール作りなどを幅広く話し合っている。

 厚労省が見据えるのは、「時代にそぐわなくなってきている」(幹部)労働法制の見直しだ。

聖域なき話し合い

 1947年に制定された労基…

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    西田亮介
    (社会学者・日本大学危機管理学部教授)
    2024年4月24日13時3分 投稿
    【視点】

    抜本改正もさることながら、例えば無期転換ルールなど現実離れした労働者にとってもデメリットの大きな制度を細かく改正していくのが好ましいのではないか。

    …続きを読む
  • commentatorHeader
    首藤若菜
    (立教大学教授=労働経済学)
    2024年4月24日18時2分 投稿
    【視点】

    労働基準法とは、働くうえでの最低限のルールを定めたものです。なぜ、このようなルールが必要なのでしょうか? 私たちの社会では、たとえ企業と労働者が合意していたとしても、一定以上の労働時間を働かせることは認められていません。最低賃金を下回る賃

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