「キャベツ食べるからって」 知床事故2年、献花台が見た友人の愛情

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神村正史 長谷川潤
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 バラやガーベラ、カーネーションなどの花が並んでいる。クマやキャラクターのぬいぐるみが置かれ、色とりどりの手紙が添えてある。北海道斜里町役場の正面玄関横にある献花台はこの2年、家族や友人を失った人たちの無念さを受け止めてきた。2年前の23日、知床半島沖で小型観光船「KAZUⅠ(カズワン)」が沈没した。

 乗客・乗員26人のうち20人が犠牲となり、今も6人の行方がわかっていない。地元に住む74歳の男性は、献花台の前に立つたびに、自分に言い聞かせるのだという。「私たちは、わすれない」。それは1年前の追悼式で掲げられた言葉でもある。

 《発表会はコロナの関係で延期になったよ。一緒に居たら、何の役をしてたかな。寒い海のどこかに居ると思うと言葉にならないよ》

 《進級おめでとう!!3人で一緒に会いに来たよ。捜索ボランティアの人たちが探しに来てくれるからね。それまでお母さんのそばを離れないでね。学校の教室に席があるから安心してね》

 行方不明の親子に書かれたとみられる手紙もあった。何度も訪れているようだ。子どもが書いた手紙は、字が大人びていく様子が見て取れる。

 献花台に手向けられた生花は、町の職員が交代で世話をしてきた。

「十分役目を果たした」 移設される献花台

 《役場の方へ いつもお花の…

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