報道の自由度ランキング発表 日本は順位下げ、G7最下位の70位

パリ=宋光祐
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 国際NGO「国境なき記者団」(本部・パリ)は3日、2024年の「報道の自由度ランキング」を発表した。調査対象の180カ国・地域のうち日本は70位(前年68位)となり、主要7カ国(G7)の中で依然、最下位だった。

 同NGOは日本の状況について、「伝統の重みや経済的利益、政治的圧力、男女の不平等が、反権力としてのジャーナリストの役割を頻繁に妨げている」と批判。12年の第2次安倍政権の発足以降にジャーナリストに対する不信感が広がったとする一方、記者クラブ制度がメディアの自己検閲や外国人ジャーナリストらの差別につながっているとした。

 また、世界的な傾向については、ランキングを構成する五つの基準のうち政治的な背景に関する指標が世界全体で悪化したとして、国際社会でジャーナリストを保護する政治的意思が欠如していると指摘した。昨年10月7日にイスラム組織ハマスとイスラエルの軍事衝突が始まって以降、パレスチナ自治区ガザ地区で100人以上の記者が死亡したことを例に挙げた。

 1位はノルウェーで、2位にはデンマークが入った。G7では米国が55位(前年45位)で、日本に次いで低い順位だった。同NGOは米国に広がる偽情報が「国民がもはや誰を信用してよいのか分からない状況を生み出している」と懸念を示した。(パリ=宋光祐)

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    小熊英二
    (歴史社会学者)
    2024年5月12日17時19分 投稿
    【視点】

    このランキングについては2018年10月25日の「論壇時評」で書いた。要は大手メディアに属していないと記者クラブに入れないので点が低いのである。 評価項目には、広告主の影響力(D18)、メディアの寡占度(D11)、独立民間メディアを作る困

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    藤田直央
    (朝日新聞編集委員=政治、外交、憲法)
    2024年5月4日8時48分 投稿
    【視点】

    頑張ってるつもりなんだけどなあと思いつつ、国境なき記者団のサイトを見てみました。評価の指標は5つで、Political context, Legal framework, Economic context, Sociocultural co

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